IT技術の性格と内容を明らかにするために、現代情報社会の諸側面に関する文献を網羅的に検討し、そこから情報社会を構成している基本原則についての考察を行った。そしてその成果を論文としてまとめ、公刊した。 企業組織の分析に関して、組織構造の変化と職場の関係について、資料を集め、既存の研究を参照した。そして、新しい組織編成を指向している企業を対象にインタビュー調査を実施した。その結果として、本年度は次の点が明らかになった。組織編成については、組織の課を廃止し、部を主要な単位として再編成が行われている。そして、その内部については柔軟な運営が展開される。組織全体としては、トップマネジメント、ラインの責任者、そしてラインの長(部長)という三層構造が広くみられる。仕事を担当する部、つまり職場レベルでは職制と責任者が柔軟に決定される。仕事範囲、仕事を行うグループが固定的ではなく、製品、市場環境によって変化させることが可能である。従来の課、係を集団と呼べば、現在は「チームを中心に日々の仕事が遂行される」といえる。 行政組織の変化を調べるために、いくつかの自治体を訪問し、実態調査を行った。事前の資料収集で得られた情報と実際とはかなり距離があるケースが多く、地域レベルでの行政組織とその運営についても大きなばらつきがあり、今後さらに広く実地調査を行う必要性が明らかになった。
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