研究課題/領域番号 |
12410050
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
平岡 公一 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (10181140)
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研究分担者 |
安立 清史 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (40192968)
藤村 正之 武蔵大学, 社会学部, 教授 (00190067)
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40197281)
鎮目 真人 北星学園大学, 社会福祉学部, 専任講師 (50285508)
吉原 雅昭 大阪府立大学, 社会福祉学部, 専任講師 (30264823)
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キーワード | 高齢者福祉 / 介護保険 / 地方自治体 / 福祉ミックス / 福祉多元主義 |
研究概要 |
本研究は、1990年代における高齢者福祉サービスの計画的な整備と、2000年4月からの介護保険制度の実施によって、高齢者福祉における自治体行政の役割と公私関係(福祉ミックス)にどのような変化が生じたのかを、実証的に解明することを目的として実施された。 本年度は、第一に、研究の理論枠組の検討を行うとともに、既存の統計データを用いて、自治体を類型化する方法を検討した。研究の理論枠組に関しては、(1)非営利組織の多様化や、社会福祉法人の位置づけの特殊性を考慮し、福祉ミックス論を日本の状況に応じて修正する必要があること、(2)疑似市場論は、介護保険の制度設計の特質を考慮した上で分析に適用すべきであること、(3)参加志向型と市場志向型、利用者補助型とサービス購入型という多元的サービス供給の類型が有効であることなどが明らかになった。自治体の類型化に関しては、介護保険制度実施前のサービス利用状況の指標に基づいて類型化を行ったが、介護保険のサービス利用実績の指標との関連の分析は、次年度の課題となった。 第二に、首都圏と関西圏の20の自治体に関して高齢者福祉と介護保険に係わる基本的な文書と統計資料を収集するとともに、自治体担当者へのヒアリング調査を実施した。このうち5団体については、社会福祉協議会、医療・社会福祉機関へのヒアリング調査もあわせて実施し、特に90年代後半における介護サービスの供給体制と、介護保険制度実施に伴うその変化との関連に重点をおいて、資料の分析を行った。その結果、(1)在宅介護支援センターを中核としたケアマネジメントとサービス調整の体制の整備状況、(2)自治体の計画機能の強化への取り組みの状況、(3)法人施設と行政のこれまでの関わり方、(4)介護サービスの基盤整備の進捗状況等の要因が介護サービス供給体制の変化のあり方を規定していることが明らかになった。
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