研究課題/領域番号 |
12410056
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研究機関 | 北海道浅井学園大学 |
研究代表者 |
三谷 鉄夫 北海道浅井学園大学, 人間福祉学部, 教授 (00000571)
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研究分担者 |
鈴木 克典 駿河台大学, 経済学部, 助教授 (60296283)
相内 真子 北海道浅井学園大学, 人間福祉学部, 助教授 (60281771)
杉岡 直人 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (10113573)
太田 貞司 北海道浅井学園大学, 人間福祉学部, 教授 (90223833)
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キーワード | サービス施設 / 韓国の社会福祉 / 高齢者ケア / 痴呆性高齢者 / ジェンダーと政治 / コミュニティ |
研究概要 |
第一に、サービス施設とサービスが住民に対して供給するもののうち、住民の日常生活にもっとも深く密着している福祉部門について、日本および韓国を中心として、述べている。第二に,日米の痴呆性高齢者のグループホームに関し、若干の事例研究を行っている。第三に、サービスはこうした福祉分野に限定されるものではなく、広く、政治、文化の問題である。ここでは、具体的に地域社会でコミュニティ施設としての機能を果たしている公民館および広くは政党政治の世界にまで及んでいる。ジェンダーと政治との関係はその一つである。われわれは、主として意識調査の結果に基づいて、地域住民の価値観、満足感など意識の側面を中心として把握すると、とくに今世紀に入って意識の低迷を経験している韓国の場合、福祉に対する意向が多様化の方向にあり、日本の15年ほど前の状況とある意味では類似していることを改めて認識した。韓国の社会福祉協議会、韓国社会福祉館、韓国総合社会福祉館などが現実に果たしている役割、日本の高齢者ケアの実際と抱えている諸問題、岩手県岩手町の独居老人が求めているものなどを扱っている。また、アメリカのサービスは、都市化が単に農村の都市化というよりも、新しい都市の建設によって都市からの需要を喚起する方向がみられる。日本社会ではまだそうした方向は顕著にはみられない。日本の社会では、私と区別される公が、戦後生まれたが、競争とか公平といったものとは、およそ無関係なものとして発達してきた。したがって、コミュニティの問題を論じるとき、この概念をめぐって屡々混乱を引き起こす。近年、共同体的体質から、ようやく脱皮し、公と私とが区別しうるように変化が政治の世界に現れてきている。インターネットを媒介として成立するバーチャルコミュニティの問題は新しい未来を切り開くとともに、様々な問題点をも提起している。
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