研究課題/領域番号 |
12410062
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
阿部 實 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (00105032)
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研究分担者 |
後藤 隆 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (30205603)
柄澤 行雄 常磐大学, 人間科学部, 教授 (70161255)
井出 裕久 大正大学, 人間学部, 助教授 (50223128)
村上 文司 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (40210017)
濱谷 正晴 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60017639)
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キーワード | 社会調査史 / 社会調査活動 / 質的データの分析法 |
研究概要 |
平成12年度は、メインテーマ「社会調査活動の多様な形成と相互作用の国際比較に関する基礎的研究」の下、主として次の2つの課題に取り組んだ。 (1)社会調査史上、当該調査領域のみならず他にも、調査思想・視点・方法等の点で、強い影響力をもつと考えられる過去の調査モノグラフあるいは調査活動に注目し、分析をくわえた。具体的には、C.ブースの調査方法論、ホーソン実験、E.フロムのメキシコ調査、ドイツ社会政策学会の工業労働調査、P.F.ラザースフェルドの顕在/潜在特性空間の構想が取り上げられた。 (2)NGO、NPO、国際援助、地域研究等諸領域で繰り広げられる現代の社会調査活動に共通する方法論上の特徴として、インタビュー、生活史、現地観察記録などの「質的データ」の利用に注目し、70年代以降の社会調査論でのホットイシューとなっている「質的データ分析法」の系譜の整理と並行して、検討をくわえた。 これら(1)、(2)への取り組みから、次のような今後の課題が確認された。 a 社会調査史上重要な過去のモノグラフあるいは調査活動の分析からえられる、個別具体的なチェックポイントや相互連関ポイントを、より汎用性の高い、体系的な、調査史構成アイテムへと作り替えていく必要があること。 b 現代の社会調査活動における「質的データ」利用と、社会調査史上の過去の「質的データ」利用との共有部分を慎重に吟味する必要があること。いわゆる「量的方法」との「対立」の結果「質的方法」を浮かび上がらせるというのでは、過去の同様の対立フレーム=シーソー・フレームの反復にすぎないからである。
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