研究概要 |
本研究は、多様な教授学習過程の現象を叙述する記号ないしカテゴリー形式を開発し、それにもとづく分析と解釈の手順を明確化することを目的としている。 平成13年度の研究成果は以下のようである。 (1)中間項すなわち子どもの発言の再構成は、「授業記録の作成」の作業から「授業諸要因の関連構造の抽出」の作業へ移行する段階において重要な位置を占める。 (2)中間項相互の整合性を保持して、新たにな記号の開発を可能にするために、すべての中間項の整理をし、それらのグループ化を行った。2つの観点によって01)肯定、否定、疑問などを示す記号,02)概念、活動、構想および例示を示す記号,03)概念、活動、構想および例示の同一、差異、包含、類似関係を示す記号,04)明示的な論理関係や条件などを示す記号,05)動詞を含む記号,06)後者による前者の限定を示す,07)概念、活動、構想および例示の変化および変容を示す,08)その他の記号までのグループに中間項を分けた。 (3)授業研究の特に叙述に関する共通の課題として、観察視点と仮説形成の関係が重要である。この問題についてはスペインでの国際学会で発表した(Five Common Tasks for Qualitative Analysis Method of Classroom Activities in Elementary School, 10th Triennial World Conference for Curriculum and Instruction, Madrid, Spain, September 13, 2001)。 (4)資料として、ドイツ連邦共和国ブライブルク市のロレット基礎学校において3つの事実教授の授業を録画し、テープ起こしを行った。また、討議資料と討議内容の関係を検討するために、2つの現職教育の討論内容を録画した。
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