研究課題/領域番号 |
12410076
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河野 和清 広島大学, 教育学部, 教授 (30116579)
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研究分担者 |
北神 正行 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80195247)
植田 健男 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (10168627)
佐古 秀一 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30153969)
水本 徳明 筑波大学, 教育学系, 助教授 (90239260)
伊藤 稔 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (00196106)
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キーワード | 自律的学校経営 / 学校裁量予算 / 情報公開 / 人事考課 / 校長のリーダーシップ |
研究概要 |
1.本研究は、最近の教育改革の動きを受けて、わが国の自律的学校経営がどのように展開されようとしているのか、その実態や課題を事例研究により明らかにすることを目的としている。 2.その結果、わが国の自律的学校経営について、次のようなことが明らかにされた。 (1)校長のリーダーシップを特色づけているのは、組織統括領域の変革志向性である。 (2)「教育指導費」に計上される「学校個性化推進事業費」などの補助事業費が、学校の自由裁量予算を拡大するという意味で大いに注目される。 (3)「総合的な学習の時間」をめぐっては、各学校の対応は新たな課題に対する問題解決の過程として捉えることができるが、それをどのように意味づけるかという方略においても、実際の取り組みにおいても、多様な姿のあることが確認できた。 (4)特色ある教育活動を行う学校ほど、情報公開を行って説明責任を果たし、協働関係を構築することが求められる。そうしてこそ、自律的学校経営が有効に機能する。情報公開は、自律的学校経営の基本条件の1つであることが確認できた。 (5)実践的な有用性をもつ学校評価とするためには、学校はそれぞれの実態に応じてどのような工夫をなすべきかに関して組織的対応を行う必要がある。 (6)「人事考課」は人事労務管理の中心に捉えられており、今後、人事考課の在り方を考える場合、人事管理システムの全体像を見通しながら検討する必要がある。 3.本研究で得た知見を一般化できるかを検証するため、「自律的学校経営に関する全国調査」を実施するつもりである。なお、本研究の成果は、平成13年度日本教育経営学会奈良大会で発表する予定である。
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