研究課題/領域番号 |
12410080
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 部長 (10130296)
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研究分担者 |
菊地 栄治 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (10211872)
木岡 一明 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (10186182)
川島 啓二 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (50224770)
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
坂野 慎二 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (30235163)
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キーワード | 「学級崩壊」 / 学級経営 / 教師の同僚性 / 開放性 / 子育て支援 |
研究概要 |
本年度は、平成13年3月に全国の公立小学校604校(校長調査534票、教員調査6,614票)を対象に実施した「学校・学級経営の実態に関する調査」データの分析を行い、教育現実に即して理論の再構築を試みた。主な知見は、以下の通りである。 1.過去1年の間に「『学級崩壊』があった」という回答は校長で26.0%、教員で32.4%であり、「学級崩壊」が小学校に一定程度拡がっている。 2.「学級崩壊」の発生には教員同士の関係性(「率直に言いたいことを言いにくい雰囲気がある」など)も影響するが、関連の強さの点では「地域の様子」との関連が目立っている。 3.発生した「学級崩壊」のうち、校長調査によれば85.1%(「著しく好転した」=20.6%、「やや好転した」=64.5%)が、教員調査によれば54.0%(同7.9%、46.1%)がそれぞれ好転したとみなすことができる 4.「学級崩壊」への対応策としては、「学級担任に口頭でアドバイスした」が73.8%と最も多い。逆に、「学級担任を交代させた」「保護者に学校づくりにかかわってもらった」の実施率は9.2%にとどまっている。 5.どの対応策が「学級崩壊」を好転させるかについて関連分析を行ったところ、最も高い確率で好転(回復)をもたらすのは「学級担任を交代させた」(好転した割合は87.5%)で、以下、「交換授業や合同授業を行った」「保護者に学校づくりにかかわってもらった」と続く。 次年度は、外国の小学校との比較研究を踏まえながら、日本的な教育構造の実態を浮き彫りにするとともに、児童調査・保護者調査を実施し、「学級崩壊」への対応策を具体的に探っていく予定である。
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