研究分担者 |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10222978)
岩井 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40167276)
江田 憲治 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (80176768)
高嶋 航 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10303900)
濱田 麻矢 神戸大学, 文学部, 助教授 (90293951)
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研究概要 |
本年度はおもに三つの分野において基礎資料の蒐集とその整理、分析に努力を傾けた。 (1)人口動態 第二次世界大戦以前から人口動態について一定のデータが蓄積されている河北省を重点に、データの蒐集、整理、分析を進めた。本年度は特に、各自然村落レベルの人口動態まで把握できる河北省南都の新河県について、19世紀後半から現在までの人口動態を分析した。森は2001年10月に武漢で開催された「紀念辛亥革命九十周年国際学術討論会」に出席し、上記の研究成果に関連して「辛亥革命前後河北省新河県的人口動態」と題する招待講演をおこなった。 (2)綿紡績業 比較的詳細な生産データが期待できる「在華紡」について、その発祥の地である上海、1920年代半ばから発展した青島、そして日中戦争期に勃興した天津という三つの地域毎に、おもに紡績生産のデータを中心に、蒐集、整理、分析を試みた。森は,2001年12月に台湾中央研究院近代史研究所の招請をうけ,上記の研究成果に関連して「中国線業近代化的動態構造」と題する招待講演をおこなった。 (3)19世紀末から20世紀前半にかけての中国の財政について,以下のような数量資料の蒐集と入力作業,および分析をおこなった。 ・清末期の釐金および海関税に代表される「新増」収入と,以前からの経常的収入である田賦,常関税,塩税などの構成比の変化を示す資料を分析した。 ・浙江省について,太平天国期を境として省財政の構造と規模がどのように変化したかを具体的事例として研究した。 ・民国期には,田賦などの税に付随して徴収される附加税収入が県レベルの財政の根幹をなしていたこと,およびそのような構造が明清時代の財政制度にみられる正額と非正額の二重構造の歴史的な帰結であったことを明らかにした。
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