研究課題/領域番号 |
12410101
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
岡住 正秀 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (90169102)
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研究分担者 |
久木 尚志 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (50238292)
中野 博文 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (10253030)
寺田 由美 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (40285458)
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キーワード | 近代国家 / 社会史 / 政治史 / 民衆 / 抗議行動 / アメリカ / イギリス / スペイン |
研究概要 |
今年度は、本格的な考察を開始する前の準備作業を中心に進めた。 岡住正秀(研究代表者)は、19〜20世紀スペイン農民運動に関する研究を行なった。近年の社会運動史、特に農民運動研究動向を踏まえ、アンダルシア農民運動の展開を実証的に再検討し、当時のスペインが直面していた問題の中に彼らの抗議行動のあり方を位置づけた。行動形態は多様であるが、転換期の一特徴として組合主義運動の側面を明らかにした。 久木尚志(研究分担者)は、19〜20世紀イギリス民衆運動に関する研究を行なった。1911年に南ウェールズで生じた反ユダヤ人暴動の持つ意味について分析を行ない、20世紀初頭の民衆運動の高揚と社会統制政策との関連について考察した。 中野博文(研究分担者)は、近代国家の形成と民衆運動との関係を動的かつグローバルな観点から把握する分析枠組みの検討を行なった。その妥当性を英米の比較史研究によって検証するため、戦闘的な民衆の抗議活動が支配層によって国家形成活動に利用されていく世紀転換期イギリスの状況を検討した。また民衆統合のために政治体制、さらに体制を規範的に支える政治理念も変化したが、その変化が大西洋を越え、革新主義期のアメリカにも影響を与えていったことについて、一連の仮説を建設した。 寺田由美(研究分担者)は、19〜20世紀アメリカ反禁酒運動に関する研究を行なった。特に禁酒運動の担い手であった女性が反禁酒運動へと結集する際のレトリックの転回過程を追い、それを社会背景の変化に絡めて考察した。 同時に、今後の研究のために不足している文献と史料の収集を国内外で進め、研究成果に対する評価を受けるため、国内・海外出張を行なった。また、定期的に研究会を持ち、各自の進行具合を報告しあい、来年度以降の研究方針についての意見交換を行なった。
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