研究課題/領域番号 |
12410101
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
岡住 正秀 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (90169102)
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研究分担者 |
久木 尚志 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (50238292)
中野 博文 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (10253030)
寺田 由美 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (40285458)
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キーワード | 民衆 / 抗議行動 / 近代国家 / 農民運動 / 禁酒法 / 民衆政 / ユダヤ人 / スペイン:イギリス:アメリカ合衆国 |
研究概要 |
今年度は昨年度の成果を踏まえ、研究活動の幅を広げるための試みを行なった。具体的には、研究領域が重なる他地域の研究者、研究手法の異なる同領域の研究者、さらには歴史学以外の研究者などを積極的に招聘し、本科研メンバーと報告を組み合わせ、活発な討議を行なった。それ以外にも定期的に個別報告の機会を持ち、各人の進捗状況の確認・意見交換を通じて、研究成果のまとめ・公開に向けた作業を行なった。 個別研究は次のように進行した。岡住正秀(研究代表者)は、第一次大戦直後のスペインにおける農民運動の高揚(「ボルシェビキの3年」)に関して、アンダルシア地方のアグロタウンを対象に実証的な研究を行ない、運動の性格、労使関係と共同体の関係を明らかにした。 寺田由美(研究分担者)は、全国禁酒法撤廃運動に焦点をあてて、この運動に対するアメリカ女性の三通りの姿勢を考察した。特に論争から距離を置こうとする、或いは無関心な女性の存在に注目し、社会的エリートから労働者階級までを視座に入れ、革新主義からニューディールへの移行期に生じた女性の社会改革への意識の変化について検証を試みた。 中野博文(研究分担者)は、20世紀初頭のアメリカ社会で発生した民衆の規範意識の変化について考察を行なった。都市化が進展していく中、中産階級の文化の興隆とともに、平等主義的で人々の差異に寛容であった19世紀の民主主義文化が崩壊していく有様について、二次資料に依拠しつつ理論的な検討を進めた。 久木尚志(研究分担者)は、英国の民族的少数派であるウェールズ人と、その少数派の中の少数派として位置づけられるウェールズ在住ユダヤ人の関係について、「共同性」の再定義の問題を軸に考察を進めた。具体的には、1911年のユダヤ人襲撃事件がウェールズ渓谷地帯の共同体のいかなる要因と関連付けらるのかを検討した。
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