研究課題/領域番号 |
12410104
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 直 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20292732)
|
研究分担者 |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
今村 啓爾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70011765)
宇田川 洋 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50107520)
安斉 正人 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (60114360)
佐藤 宏之 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (50292743)
|
キーワード | 生業 / 狩猟 / 採集 / 漁撈 / 水田 / 畑 / 東アジア |
研究概要 |
各地域、時代の資料の収集と調査研究を進めるとともに、研究の最先端を明らかにする研究会を開催した。 旧石器時代については九州地域における中期〜後期旧石器時代の植物資源開発の様相に関する基礎的研究を行い、九州南部地域では後期旧石器時代初頭に、他地域とはことなっていち早く植物質食料を重視する生業戦略が始まっている可能性の高いことが推定された。縄文時代については後期の貝塚遺跡の資料収集を進めて農耕開始の前提の把握に務め、北方地域の生業に関しては北海道とロシア沿海州での発掘調査に関連して、生業関係資料の収集、研究を行った。中国、東南アジアについても狩猟、採集のほか農耕関係資料の収集と研究を進めている。農耕開始以後については、前年に引き続き弥生時代併行期の韓国と日本の農耕の比較研究、栽培植物資料出土例の集成を進め、水田類型の相違、水田稲作と畑作の比重の違いを明らかにしている。 これら調査研究とともに、生業研究の現状と問題点を把握するために各地の研究者を招き研究発表と討論会を実施した。後期旧石器時代の陥し穴猟の事例発表では数、配列、植生推定などから複数集団による計画的猪猟の可能性が強調され、沿海州の貝塚遺物の分析から狩猟、採集、漁撈の細部の変化と生態環境の変化それに伴う農耕の開始が論じられ、水田稲作について西日本と東北地方の初期水田の立地の類型化と相違、水田と農具の実態に基づく日本列島内と中国、韓国との比較、東北地方における水稲導入による生業の再編の特質が明確にされるなどの成果をあげた。
|