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2003 年度 実績報告書

東アジアにおける古代鉄鍛冶技術の伝播と展開

研究課題

研究課題/領域番号 12410105
研究機関広島大学

研究代表者

古瀬 清秀  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)

研究分担者 東 潮  徳島大学, 総合科学部, 教授 (70243673)
安間 拓巳  広島大学, 大学院・文学研究科, 助手 (40263644)
河瀬 正利  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30093743)
村上 恭通  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (40239504)
キーワード東アジア / 鍛造鍛冶 / 鋳造鍛冶 / 鉄〓 / 木炭
研究概要

本年度の研究は最終年度でもあり、これまでのまとめ的な検討を行った。わが国の鉄鍛冶については成果報告書の作成に付随して、韓国とわが国の鉄鍛冶技術を比較するために、宮内庁書陵部所蔵の大和6号古墳出土鉄〓について、改めて検討を加えた。韓国の鉄〓は全般的に厚みがあり、平滑な仕上げとなっていることが多いが、大和6号古墳出土品は鍛冶加工の痕跡が顕著に残存する点で大きく異なる。大和6号古墳鉄〓は、小型品を鍛接して中型・大型品に加工しており、その加工技術の復元が可能であった。また、韓国の鍛冶技術に関して、海外共同研究者(李南珪氏)から最近の鉄および鉄器生産の文献の紹介と鉄関連遺跡の発掘調査見学の案内を受けたが、諸事情で渡航できなかった。しかし、李氏との討議で、韓国の最近の遺物、遺構の検討から鉄鍛冶技術はわが国のそれとは大きな懸崖があり、わが国においてようやく、弥生時代後期に鍛冶技術の定着、拡散の兆しが見え始めた頃、韓国では後漢楽浪郡からの技術導入で、高温下鍛接技術を駆使した高度な鍛造鍛冶技術及び鋳造鍛冶技術を有していたことは確実といえる。中国の鉄鍛冶技術は主に鋳造に関するもので、遺構もそうしたものが多い。わが国の鍛冶技術とは確実に一線を画するもので、それは韓国においても同様といえる。東アジア世界の鉄鍛冶技術は中国に起源をもつが、わが国に導入されたのはそのごく一部にすぎず、韓国においても完全な形での導入はなかった。関係図式で示すと、[中国]鋳造鍛冶(主)・鍛造鍛冶(従)→[韓国]鍛造鍛冶(主)・鋳造鍛冶(従)→[日本]鍛造鍛冶(主)となる。なお、本年度の鍛冶実験は三上日本刀鍛錬場において、特に木炭に関する樹種の選定・小割りなどを修得した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 古瀬 清秀: "鉄滓から見た鍛冶技術"考古論集-河瀬正利先生退官記念論文集. 単行本. 583-598 (2004)

  • [文献書誌] 村上 恭通: "古墳時代における鍛冶具副葬古墳と被葬者像"考古論集-河瀬正利先生退官記念論文集. 単行本. 629-646 (2004)

  • [文献書誌] 安間 拓己: "金床石と古代の鍛冶"考古論集-河瀬正利先生退官記念論文集. 単行本. 733-746 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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