研究課題
基盤研究(B)
本研究では、飛鳥・奈良時代の出土文字資料についての集成ならびに文字の再調査を中心的に行なった。特に奈良県出土の文字資料は過去40年間の蓄積があるが(例えば飛鳥京跡、藤原宮跡、東大寺、平城京など)、古い時期に解読されてそのままのものが多く、今回の研究で新規に写真撮影と赤外線装置による読み取りを実施し、精密な記録を作成した。これにより、現在の研究水準に適うかたちでの釈文の再検討を行なうことが可能となり、多くの資料について過去の解読を訂正したり、解読できていなかったものを新たに解読することができた。こうして数多くの文字資料を新たに解読することができたため、古代史・考古学研究の基礎資料として、さらに有用なものとなった。奈良県立橿原考古学研究所による飛鳥京跡苑池遺構の発掘調査では200点近い木簡が出土したが、この木簡の整理・解読により、飛鳥時代の宮廷中枢部において使用された文字資料の具体的な姿が明らかとなり、木簡の書式や書風、形状などの面での検討材料が増加した。また、他機関の研究者とともに出土木簡を検討することで、飛鳥時代の木簡について共通の認識を構築することができた。この研究で得られた成果(特に出土木簡の新釈文・写真)については、一部は概報などのかたちで既に公にしているが、これ以外のものについても、さらに検討を重ねた上で順次公表していく予定である。
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