研究課題/領域番号 |
12410109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石塚 晴通 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10002289)
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研究分担者 |
池田 証寿 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20176093)
小野 芳彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20126022)
伊東 倫厚 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80012459)
白井 純 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20312324)
築島 裕 東京大学, 名誉教授 (60011277)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 漢字字体 / 字体規範 / 規範の推移 / 敦煌文献 / 開成石経 / 宮廷写経 / 宋版 |
研究概要 |
本研究は、日本に於ける漢字字体の規範がシナの規範の推移と関連しつつ成立し、推移したことを、良質な一次資料のデータベース構築により実証的に示して、将来の情報ネットワークの基盤整備に益することを目的とする。 日本に於ける漢字字体規範の成立を探る為に、以下の作業を実施した。 1.日本の奈良時代(五月一日経等)・平安時代(岩崎本日本書紀等)・鎌倉時代(兼方本日本書紀等)・室町時代(兼右本日本書紀等)・江戸時代(慶長勅版日本書紀等)の標準的文献の全用例字体データベースを作成した。 2.シナの南北朝時代(各宮廷写経)・初唐(宮廷写経等)・開成石経・北宋版(東禅寺版等)・南宋版(開元寺版等)の標準的文献の全用例データベースを作成した。 3.漢字字体の日本的規範とシナ的規範との連関を考察した。 4.上記データベースを情報ネットワークに提供する準備を進めた。 5.上記データベースを活用して敦煌写本の真偽判定に資した。 6.JIS漢字制定の基礎となった日下部表の基礎的研究を行った。 7.上記の結果を利用して本研究の報告書『日本に於ける漢字字体規範成立の実証的研究』を刊行した。 漢字字体のデータベースは、開発されたものも既にあるが、何れも清代に編纂公刊された『康煕字典』を基本とするものであり、二次的資料によるものである。本研究で作成したデータベースは、何れも『康煕字典』以前の良質な一次資料である各時代の標準的写本・版本に基づくものであり、この種のデータベースは国内はもとより海外にも存在しない。『康煕字典』以前に於て、規範としての位置を占めていた漢字字体がいかなるものであり、それがいかに推移してきたかを略々示し得るものである。このデータベースは、近時大問題となりつつある敦煌写本の真偽判定に活用し得るものであり、JIS漢字等を考える上でも基礎資料となるものである。
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