研究課題/領域番号 |
12410113
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
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研究分担者 |
稲葉 伸道 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70135276)
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
山崎 誠 国文学研究資料館, 文献資料部, 教授 (70094696)
伊藤 聡 茨城大学, 人文学部, 助教授 (90344829)
川崎 剛志 就実女子大学, 文学部, 教授 (70281524)
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キーワード | 中世寺院 / 顕密仏教 / 聖教 / 真福寺 / 能信 / 頼瑜 |
研究概要 |
中世日本社会が形成した文化における世界像の体系が如何なるものであったか、それを文献にもとづいて解明しようとする本研究は、その探求のために、最も豊な文献資料が遺されている、中世に成立した顕密仏教寺院に伝存する「聖教」という宗教テクスト群を調査対象とする。平成14年度は、その主要な対象である真福寺大須文庫の聖教について、その中核をなす初代能信の書写した聖教と二世信瑜の将来した聖教の、ぞれぞれ中心となる鎌倉期新義真言教学の大成者中性院頼瑜の著作を中心に調査を行い、その研究の中間報告を論文化した。また、これまでに調査した主要聖教のデータ入力作業を継続して行った。更に、21世紀COEプログラム「統合テクスト科学の構築」の支援を受け、本科研の文学・史学の共同研究者の真福寺聖教の研究成果報告を基調として、智山伝法院の協力により真言宗学の研究者の参加を得て、今回の調査研究の成果である真福寺聖教に含まれる頼瑜著作・試料の展観を公開セミナーと組み合わせ、国際研究集会「中世宗教テクストの世界へ」を開催した(15年2月21日〜23日)。継続して聖教調査・研究を行っている仁和寺では、塔中蔵の縁起・説話資料の整理を行い、共同研究者各自の文献研究を進めた。継続中の法儀次第記録の研究では、真福寺本『法則集』の重要性が確認され、また(財)古代学協会と連携し、仁和寺資料に関する研究報告を仏教文学会例会で行った(14年4月15日)。加えて、中央大寺院の聖教探究の一環として協力している勧修寺大経蔵の調査では、「勧修寺聖教文書調査団」を発足(14年7月)させて組織的運営を計り、データ入力を継続して行った。なお、金沢文庫文庫長と称名寺釼阿本『七天狗絵』(天狗革紙)を中心に研究会「中世の分裂と対立」を結成し、第1回の研究会を行った。
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