研究分担者 |
白藤 禮幸 帝京大学, 文学部, 教授 (10007461)
小野 寛 駒沢大学, 文学部, 教授 (90082916)
遠藤 宏 成蹊大学, 文学部, 教授 (20086284)
曽倉 岑 青山学院大学, 文学部, 教授 (20082612)
鈴木 日出男 成城大学, 文学部, 教授 (20014780)
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研究概要 |
1 西本願寺本萬葉集の新しい複製を作成したが,特に翻刻の部を全巻に亘り厳密に実施して正誤表を作成し,誤脱部分を訂正して萬葉集の新しい校本の底本として使用出来る改訂版を作成した。 2 この西本願寺本複製の翻刻改訂版を基礎として,新点本の校本完成に校異を進めて来ているが,なお厳密を期さねばならないと同時に紀州本巻十一以後,京大本赭訓の判読困難な調査,全訳文庫本の調査はほぼ完了した。 3 新しい校本の,漢字の字体につき『校本萬葉集』の字体表を修正,中央公論社版『日本書紀』も参考にしたが,『校本萬葉集』には記載されなかった諸本のヲコト点について調査発表し傍訓のカタカナと区別してひらがなで校異表に記載することにした。 4 次点本については,紀州本前半・尼崎本巻十六および断簡の『校本萬葉集』との校合は終り,藍紙本の『校本萬葉集』の誤脱も指摘出来たが,元歴校本についてはその朱,特に赭書入は巻一等を除き複製本は原色でないので原本を調査せねばならず、その可能性も考えられるので是非実現したい。なお高岡市萬葉歴史館所蔵尼崎本・春日本・金沢文庫本・栂尾類切・伊勢物語封入を十断簡,東京国立博物館所蔵藍紙本巻九断簡,センチュリーミュージアム所蔵尼崎本巻十二断簡,出光美術館所蔵手鑑「見努世友」桂本巻四,元暦校本巻十四断簡を調査した。 5 歌学書では一筆抄に次ぎ,冷泉家時両茅文庫後成自筆『古今風躰抄』に続いて『五大簡要』より定家本復元調査を試み,古葉略類聚抄複製の索引を作成し,校異のみならず,研究に便ならしめた。
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