研究課題/領域番号 |
12410117
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 時雄 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60150249)
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研究分担者 |
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80293950)
氏岡 真士 信州大学, 人文学部, 講師 (60303484)
上野 隆三 立命館大学, 文学部, 助教授 (80213388)
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キーワード | サングレイ語 / マニラ / 南欧 / 戯曲 / 俗文学 |
研究概要 |
本研究の主旨は、大航海時代とそれにともなうカトリックの布教活動によってもたらされ、現在南欧諸国に散在する中国語学・文学の資料を発掘整理し、広く学界に提供しようとするものであるが、本年度は、以下の各図書館において調査研究を行った。 (1)ローマ大学図書館(ノチェンティーニ旧蔵本を主とする) (2)フィレンツェ大学図書館(旧アジア学会所蔵本を主とする) (3)リヴォルノ市図書館(明刊通書を新発見) (4)ローマ国立中央図書館(清刊広東曲本類及び童蒙書) (5)スペイン・エスコリアル図書館(明刊小説・戯曲類) (6)大英図書館(関係資料) (7)北京図書館(関係資料) また、日本国内で数度にわたり打ち合わせ及び研究会を行い、主にフィレンツェのラウレンツィアーナ図書館所蔵の明刊古逸戯曲「新選合併明朝三春演義大全」(崇禎六年)を会読しつつある。本書は、正徳戯文、劉瑾戯文、魏監戯文の三種を合綴したもので、前二者は福建の俗語を用いた戯曲である。この種のテキストはこれまでにわずかな例しか知られていない。またその傳來はマニラ經由でヨーロッパに流入したものと推測され、文化史的にも貴重な素材である。同書は高田のこれまでの調査によってすでに発見されていたものであるが、十分な研究がなされていなかった。詳しい研究と公刊が待たれるが、最終年度までにはその成果を出したいと思う。 マニラで行われていた漢語方言サングレイ語資料の研究も進行中である。準備不足のためバルセロナ大学所蔵資料の閲覧にまで及ばなかったが、現在複製本について鋭意研究中である。
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