研究課題/領域番号 |
12410130
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡部 雄三 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20116007)
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研究分担者 |
大石 紀一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30194070)
北川 東子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40177829)
猪口 弘之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10017593)
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キーワード | 文化的セルフ・イメージ / 政治文化 / アメリカ・イメージ / 正義論 / 普遍主義 / 固有文化 / 記憶 / グローバル化 |
研究概要 |
本年度は、3.「記憶」をめぐる言説の展開および4.グローバリゼーションの時代におけるアイデンティティ形成の諸問題を考察した。 3に関して:大石は、(a)グローバル化のもとでの「過去の克服」をめぐる日独における新たな言説の展開を、現代ドイツにおける「ヨーロッパ・ユダヤ人虐殺の警告碑」をめぐる論争などについて調査し、その政治文化的文脈を再構成する論考を作成した。北川は、(b)戦後ドイツにおける人文科学、とりわけ哲学における「過去の克服」の展開と、英米哲学の影響との関連について考察した。同時に両者は、(c)最近の日独における対照的な発展について新聞記事を中心に調査した。これに関して海外共同研究者としてベルリン・フンボルト大学のゲアハルト・クルッヘルト博士を招聘する予定であったが、博士の事情により来日が延期され、次年度以降に持ち越さざるを得なかった。 4に関して:岡部は、(a)18世紀のヨーロッパにおける啓蒙以来の世俗化が同時にそれを補償する神秘主義的志向を培った歴史的事例を振り返るとともに、(b)現代の日本とドイツにおける新興宗教の展開を考察した。猪口は、(c)インターネットのホームページなどにおいて展開されている新たなサークルの展開とそこで形成される現代の「伝承」を、日独の文化的固有性との関連において調査した。 資料の分析のためにコンピュータを購入したが、当初購入を予定していた機種が生産中止となり、後継機種が納入されるのを待たざるを得なかったため、分析作業の開始が遅れたが、各研究分担者の努力で遅れを取り戻しつつある。
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