研究課題/領域番号 |
12410132
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
野田 研一 立教大学, 観光学部, 教授 (60145969)
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研究分担者 |
結城 正美 豊橋技術科学大学, 語学センター, 講師 (50303699)
山里 勝己 琉球大学, 法文学部, 教授 (80101450)
高田 賢一 青山学院大学, 文学部, 教授 (20008048)
生田 省吾 金沢大学, 法学部, 教授 (80060234)
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キーワード | ネイチャーライティング / ナチュラルヒストリー / 博物学 / 博物誌 / 自然 / 環境 / ロマン主義 |
研究概要 |
A)基本課題:博物学/博物誌からネイチャーライティングへ(From Natural History to Nature Writing) ネイチャーライティング研究へのアプローチを、natural history(NH)からnature writing(NW)へという視点設定を基点として進め、研究会を3回開催した。「NHからNWへ」が意味するのは、 (1)自然をめぐる言説が歴史的に「NHからNWへ」という方向で推移したと想定し、その経緯を記述様式論、ジャンル論、語り手の問題、対象の変化、そして思想的/哲学的認識の変容などを軸として検討する。 (2)「NHからNWへ」という設定を、19世紀型のロマン主義から、20世紀型の環境中心主義への思想的転換として歴史的に把握する視座も(1)と重ねて考えられる。 (3)「NHからNWへ」という方向付けのうちには、<私>の登場という問題も含まれる。ソローにおける<私>の強調がその典型例だが、Don Scheeseもその方向でNWを位置づけている。 (4)したがって、NHとNWに差異を見いだすとすればどのような点かを明示的に提示し、20世紀及び現在がNWの時代として定位可能なことを示唆する。 B)まとめ:本研究プロジェクトでは、natural historyとnature writingという本来区分しがたいジャンル呼称を、現在の視点から再検討し、(あえて)nature writingの時代としての20世紀及び現在を提起する。そのためには、それぞれのジャンル呼称を歴史及びジャンル論として検討しながら、nature writing論へと展開する方向性を探る作業を進めた。
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