研究課題/領域番号 |
12420009
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
芹田 健太郎 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60031449)
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研究分担者 |
濱本 正太郎 神戸大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (50324900)
酒井 啓亘 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (80252807)
中村 道 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60032710)
中井 伊都子 甲南大学, 法学部, 教授 (70280683)
柴田 明穂 岡山大学, 法学部, 助教授 (00273954)
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キーワード | 人道的介入 / 人道的干渉 / 国際連合 / 地域的機構 / 安全保障 / 難民 / 国際人権保障 / 国家主権 |
研究概要 |
本年度は、引き続き、人道的介入・人道的干渉に関する文献の収集を続けると共に、研究分担者がそれぞれの分担に応じて研究を継続し、そのまとめを行った。 芹田(研究代表者)は、人道的介入が難民問題や国際人権法に与える影響の実証的研究のまとめに入っており、国際人権法に関する単著を公刊するとともに、難民問題に関する単著を執筆中である。中村は、地域的機構による安全保障の観点から研究を進めており、これまでに行ってきた事例研究に加え、近年新たな展開が見られる国連と地域的機構との関係につき、人道的介入の事例と考えうるものを採り上げて研究をまとめつつある。酒井は、国連の平和維持活動の変容と「人道的介入」との関わりを引き続き研究しており、既に今年度も事例研究・理論研究を公表しており、現在はそれら事例研究を基盤に理論的考察のまとめに入っている。濱本は、国連の枠外で行われる国家の一方的な人道的介入を分析対象としており、個々の事例において諸国がどのように介入を正当化したか、あるいはどのように批判したか、という理由付けに着目しつつ、そこに19世紀以来一貫したものを見て取ることができるのではないかと考え、その視点から報告書を執筆中である。柴田は、Thomas Franckが提唱している"mitigation"の概念に注目し、それを手がかりにして、合法性とは位相を異にする「正当性」の観点から人道的介入をどのように位置づけることが可能か、研究している。中井は、ヨーロッパ人権条約に関するこれまでの研究をふまえ、国際人権法の発展が人道的介入の正当化にどの程度影響を与えているか、検討している。 本年度は最終年度であり、6月には最終的な報告書を提出する予定である。
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