研究課題/領域番号 |
12430006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平本 厚 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90125641)
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研究分担者 |
西澤 昭夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80257435)
谷口 明丈 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20103228)
野村 正實 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20112138)
川端 望 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20244650)
若林 直樹 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80242155)
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キーワード | ホワイトカラー / キャリア構造 / 歴史的分析 / 労働過程分析 / 雇用流動性 / キャリア形成の社会的基盤 / 労働市場 / 比較制度分析 |
研究概要 |
今年度は、日本のホワイトカラーのキャリア構造の変動を比較制度分析するための基本的な作業を、日本企業の歴史的変動の分析、研究情報収集、欧米でのキャリア構造変化に関する研究動向の検討、データベース整備などの観点から展開した。まず、日本の電機産業における経営組織の構造について歴史的に検討を行い、ホワイトカラーのキャリア構造が事業部制形成などの組織構造変化を受けてさまざまに部門文化や職種文化が進んできていることを確認した。特に、戦間期の電機産業の新事業展開を検討しながら、その歴史的変動を現代と比較する視点を検討した。第二に経営史、企業論、労働過程論、ベンチャー企業論、組織社会学などの関連する分野についての現在における主要なホワイトカラーのキャリア構造研究に関する文献研究を横断的に展開し、雇用流動化に対する議論の共通点についての検討を行ってきた。特に、従来の労働過程分析における熟練変化の指標構成が不明瞭であることについて批判的な検討を行った。また、合弁企業などの組織間管理者のような外部情報の獲得をしやすい特殊な地位の意義を見いだした。第三に、アメリカ合衆国でのホワイトらーのキャリア構造について比較検討するために、アメリカの電機企業の資料についての調査研究を行い、アメリカ社会学会における研究動向レビューを行った。その結果、雇用流動化の下で内部昇進構造が崩壊しつつあり、流動的なキャリア構造の社会的インフラの検討が重要であることを確認した。アメリカのハイテク産業地域では、ベンチャー企業の集積が起こる理由の一つがこうしたキャリア構造に関して、ロールモデルや成功確率が共有されるためであることが理解された。第四に東北大学経済学部関係者の卒業生のデータベース化を進めて来年度以降の本格的なアンケート調査に備えるとともに、簡単なキャリアについての検討を行った。
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