研究課題/領域番号 |
12430008
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荒山 裕行 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60191863)
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研究分担者 |
藤倉 良 立命館大学, 経済学部, 教授 (10274482)
並河 良一 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80313964)
せつ 進軍 大分大学, 経済学部, 教授 (40262399)
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)
竹歳 一紀 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (00242800)
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キーワード | 中国の環境問題 / 郷鎮工業 / 西部開発 / 郷鎮工業汚染源調査 / 経済発展パターン / 企業調査 / DEA(データ包絡線分析) / 環境法則 |
研究概要 |
現代の新興工業国(中国およびアジアNIES)は、国際市場における工業製品の飽和を考慮すれば、いっそう厳しい経済条件下で環境保護を進める必要にさらされている。この現実をふまえ、本研究は、新興工業国側の要請に基づき、環境政策がそのマクロ経済全般にもたらす効果を明確にすることを試みたもので、経済成長の維持と地球規模での環境保全を合わせた持続的経済成長のための政策立案に対し有効な情報提供を通して、新興工業国が自らの環境対策を進めていくため指針の提供を目指した。 本年度は、1)昨年度実施した西安、桂林、南寧、銀川における実地調査の分析、2)8月に寧夏省銀川市でのフォローアップ調査、3)DEA(データ包絡線分析)による中国の環境を含む生産効率の時系列的変化と地域比較、および、4)中国の地域的経済発展パターンの特定化などを実施した。これらの研究成果をふまえ、新興工業国の要請に応えるため、本研究の最終発表を兼ね、寧夏大学と共同し『中国西部経済発展国際シンポジウム』(於寧夏大学、2002年)を実施した。 主たる研究成果は、中国の地域(省別)の経済発展パターンの特定化と、環境汚染物質の排出を含む確率的生産可能性曲線の推計を行うことで、中国の経済発展と環境悪化の関係を明示的に捕捉したことにより、中国における西部開発に伴う環境悪化と対策のあり方に関する分析方法を確立できたことにある。利用可能な環境関連および生産関連のデータが少ないことなど、いくつかの技術的問題が残されたが、今後は、この分析を応用することで、環境汚染の進行と経済発展の遅れという問題を同時に抱える地域に対する経済、環境政策のあり方に関するインプリケーションの導出を可能にしたことにある。
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