研究分担者 |
白木 三秀 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80187533)
島田 陽一 早稲田大学, 法学部, 教授 (80162684)
河西 宏祐 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20015837)
小倉 一哉 日本労働研究機構, 副主任研究員
村上 由紀子 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80222339)
|
研究概要 |
本研究では,故金子美雄氏旧蔵資料の選別・整理と分析が行なわれた.氏は戦時期・戦後初期において賃金政策・労基法制定に深く関与した賃金問題の権威である.その所蔵資料は,わが国賃金・労働政策研究において従来,資料の制約もあり一種の空白期間といえるこの時期の研究にとって,第一級の価値をもつ. 平成12年度に始まった故金子資料の保存と分類は平成13年度も継続して行なわれた.まず1939-1952年を中心とした,劣化資料を順次写真撮影し,PDFファイル化(CD-ROM8枚)を行なった.その結果,私たちが目標とした戦時期と戦後初期の資料のうち約9割近くがデジタル化できた. またこの間に,戦時期そして戦後初期のこの分野の専門家のヒヤリングを行い(下記参照),この時期の労働問題の研究業績を共有した. ヒヤリング対象者:桜林誠(上智大学名誉教授,産報運動),西成田豊(一橋大学教授,産報運動の位置づけ),渡辺章(筑波大学教授,労働基準法制定過程),菅山真次(東北学院大学教授,戦後の労働市場形成),宮島英昭(早稲田大学教授,戦時期の経済統制),山下充(早稲田大学助手,技術者の養成過程),石田眞(早稲田大学教授,戦前・戦中の末広巌太郎). このように,2年間の活動により,1939-1980年代に及ぶ膨大な金子資料の重要な部分は整理し,デジタル化することに成功した.また孫田・鈴木・木村は当資料を用いて論文を作成した.今後,パソコンによる検索を可能にして,資料を使いやすくすること,そして広く研究者に開放するとともに本格的な資料分析の仕事が残されている.
|