研究概要 |
技術面からの考察においては,(1)高信頼性組織を作りあげるために,ヒューマンエラーの防御システムをいかに構築するかについて,航空宇宙分野でのヒューマンファクターの分析を技術とマネジメントの観点から実施し,(2)宇宙開発システムの事故,異常事態,不具合の対応とバックアップ体制を確立するため,システム開発マネジメント技術の利用とリスク管理について再考察を行い,(3)宇宙輸送システムに用いられる機器および材料の事故防止に有効なデータ活用方法とリスク処理について検討した。制度面からの考察においては,今後のロケット・衛星打上げサービス事業の自由化・商業化に伴い,宇宙開発システムのリスクマネジメントに必要な措置として考えられる(1)金融支援からの国際宇宙開発銀行の設立,(2)宇宙開発事業に伴うリスクに対する補償能力を拡大するための宇宙損害補償基金制度,(3)宇宙商業化を目指した国際宇宙輸送開発機開の創設と機能,に関する基盤形成の要件とデータの分析・評価を行った。基本的には,安全工学の面からリスク評価とリスク対策について安全管理の本格的な導入に関連する課題を明確化した。
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