研究課題/領域番号 |
12430027
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
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研究分担者 |
高井 透 日本大学, 商学部, 助教授 (60255247)
加藤 みどり 明星大学, 情報学部, 助教授 (50328986)
寺本 義也 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (30062178)
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キーワード | キャッチアップ型技術開発 / リード型技術開発 / 突出型技術者 / エリート技術者 |
研究概要 |
日本の産業のなかで自動車と電機に焦点を絞り込み、,代表的な企業の技術者、技術担当取締役、技術者教育担当者にインタビューを通した調査を実施した。電機産業では、家電から重電に至るまでというように事業が多様化していることから、複数の領域の技術者にインタピューした。インタビューの結果、日本企業の技術者教育は、今、変節点を迎えていることが理解できた。これまでのキャッチアップ型技術開発戦略では、「平均以上」の技術者を大量に育成することが競争力に結びついた。そのため、現時点で整備されている育成システムは、こうした意味での優秀な技術者を育成するものになっている。これ自体、その役割は大きく、現在でも圧倒的多数の技術者はこの手法で育成しなければならない。しかし、リード型技術開発戦略の下では、これに加えて、少数の「突出型」技術者を育成することが競争力の源泉になってくる。ところが、こうした技術者の育成に関してのシステム化はまだ緒についたばかりで、体系化に向けての基本的な考え方とその具体的施策を実験しようとしている段階であることが伺われた。従来型の全員平等主義的な育成ではなく、一部のエリート技術者の育成に向けて、技術者教育が変貌しようとしている現状が見えてきた。他方、米国型の技術者はむしろ、少数のエリート型技術者の育成に効果を生みだしている。他者とは異なるアイデアが生まれやすい状況、そのアイデアが組織内でつぶされないで実現されていくプロセスと、そうしたプロセスを通して技術者がどのように育成されていくのかを明らかにするごとが、次の大きな研究課題になることが確認された。
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