本研究のテーマは、連結企業集団における事業組織再編と管理会計システムとの関連の実証研究である。連結決算を行う企業集団の親会社が、多角化した種々の事業を行わせている傘下の子会社や社内事業部を再編するに当たって、いろいろな組織形態にとってどのような業績評価システムを採用することが望ましいだろうか。この問題を調査によって実証的に究明する。 従来、分権的組織の管理会計システムに関する研究は、事業部制とか社内カンパニィ制の研究ばかりでした。このような従来の「個別企業の内部における分権管理システム」の研究から離れ、「企業集団内の分権管理システム」の研究を切り開いていくことが本研究の特色であり、独創的な点である。 本研究は平成12年度から平成14年度の3年間にわたる研究であるが、その第2年度である平成13年度は次のことを行った。 連結企業グループにおける事業組織構造の再編をグループのビジネス(事業)の再構築の観点から取り扱った。本年度は特に「事業部・社内分社・分社に関する分権管理システムのアンケート調査」を次のスケジュールに従って行なった。 (1)6月〜7月には、1)会社分割、2)株式交換、3)株式移転、4)分社化、5)株式公開などの組織再編手法について文献研究を行なった。 (2)8月-9月には、上記アンケート調査の質問票の作成し、10月1日に発送、10月末に回収した。 (3)11月-2月には、統計的に分析結果を整理し、2本の論文にまとめ上げた。 また、本研究課題に関連する次の著書を平成13年度中に出版した。 門田安弘・浜田和樹・李健泳編著「組織構造と業績管理」中央経済社、2001年。 門田安弘著「管理会計-戦略的ファイナンスと分権的組織管理-」税務経理協会、2001年。
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