研究分担者 |
並河 良典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10189079)
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
小木曾 啓示 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40224133)
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
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研究概要 |
森は,一般型曲面の退化で極限として現れる曲面の各既約成分の「次数」のエフェクティブな評価を与えた.また,標数2の場合の3次元非特異Fano多様体の分類において,標数0の向井・森の手法が使えない,野性的コニック束の直接的な分類を与えた. 向井は,Hilbertの第14問題の永田(雅宜)型の反例(2001)を一般化して,不変式環が3本足Dynkin図形T_<p,q,r>のWeyl群による対称性をもつものを構成した.永田型の場合と同様Weyl群が有限でないなら不変式環も有限生成でない. 齋藤盛彦は,多項式写像について無限遠点におけるモノドロミーの固有値1に対応するJordanブロックのサイズの評価を与えた.また,コホモロジー上のGillet-Soule整的重みフィルトレーションを用いて,1モチーフに関するDeligne予想を同種を除いて証明した. 並河は,向井フロツプで結ばれる双有理同値な代数多様体の連接層の導来圏が同値であることを証明した.また,シンプレクチック特異点のシンプレクチック特異点解消に関するいくつかの予想を提出して,幾つかの具体例で検証した. 齋藤政彦は,Painleve VI型方程式の岡本ベックルンド変換で有理的なゲージ変換からこない岡本変換についてもRiemann-Hilbert対応によって写された基本群の表現のモジュライ空間の本質的な座標には恒等写像として働くことを示した. 藤野は,トーリック多様体の端射線の長さの評価に関する精密な結果を得た.また,4次元標準因子対に関してログフリッブの無限列が存在しないことを証明した(4次元ログフリップ予想IIの最初の結果). 早川は,3次元の端末特異点のブローアップの具体的な計算と反標準因子に良い元が存在することを用いて,3次元フリップの存在定理に今まであったものとは別の構成的証明を与えた.
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