研究分担者 |
細野 忍 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (60212198)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80164672)
吉岡 康太 神戸大学, 理学部, 助教授 (40274047)
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
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研究概要 |
平成14年度において,主に下記のテーマについて研究を行い,主に次の結果をえた. 1.カラビ・ヤウ多様体のグロモフ・ウイッテン不変量とBPS不変量・Gopakumar-Vafa予想:細野・齋藤・高橋はCalabi-Yau 3-foldの純次元1の連接層のモジュライ空間を用いてBPS不変量の数学的な定義の候補を与え,Gopakumar-Vafa予想を用いて特殊な場合ではあるが現在までのGromov-Witten不変量の具体的な計算と,その定義が整合的であることを確かめた。 2.ホモロジカルミラー対称性と導来圏の幾何学:細野は,K3曲面の場合のホモロジー論的ミラー対称性を調べた.深谷は,ホモロジカルミラー対称性をFloerホモロジーとLagrangian部分多様体の立場から研究し,特にA_∞カテゴリーのホモロジカル代数についての統一的な研究を行った. 3.パンルベ方程式の初期値空間の代数幾何学・岡本・パンルベ対の変形理論:齋藤は,初期値空間の一般化である岡本・パンルベ対の理論を発展させるとともに岩崎のパンルベVI型方程式のモノドロミーの空間の記述と平坦接続のモジュライ理論とを用いて,よりモジュライ理論的定式化を目指した. 4.Painlev方程式とその拡張についてのLie理論的研究およびその離散化:研究分担者の野海と山田はPainleve方程式の対称性(Backlund変換)を見直し,アフィンWey1群・アフィンLie環の観点からPainleve型非線形方程式に新しい視座を与えた.さらに研究は進展し,パンルベVI型方程式の新しいLax形式系の発見高野恭一との共同研究により,初期値空間の局所座標系とアファインワイル群との関係を研究した. 5.ベクトル束のモジュライ空間とその対称性:吉岡は代数曲面の上のベクトル束のモジュライ空間について研究を行い多くの成果をえた. 6.不変式論の新たな展開:向井は永田の反例について,新しい解釈と構成を行った.
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