研究課題/領域番号 |
12440009
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
花村 昌樹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (60189587)
|
研究分担者 |
木村 俊一 広島大学, 理学部, 講師 (10284150)
吉田 正章 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30030787)
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70202017)
斎藤 秀司 東京工業大学, 理学部, 教授 (50153804)
佐藤 栄一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
|
キーワード | モティーフ / 分解定理 / モデュラー多様体 |
研究概要 |
混合モティーフ理論について、以下の結果を得た。 (1)体κ上のうえの混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)のなす三角圏(triangulated category)D(κ)が構成された。これは、論文にまとめられた。これは、1980年代はじめ、Beilinson等に予想されていた理論である。また混合モティーフ層の圏D(κ)がt-構造をもつための条件が論文で考察された。高次Chowに対するMurre,Beilinson-Souleの予想からその条件がしたがうというのが結果である。t-構造の核を考えることにより、混合モティーフ層のアーベル圏の候補が得られる。 (2)射影代数多様体にその混合モティーフ(あるD(κ)の対象)を対応させるこができることを示した。D(κ)の定義自体は非特異射影代数多様体を用いるが、cubical hyperresolutionという技法により、射影代数多様体を非特異なもので置き換えられることをつかう。 (3)位相的層についての分解定理とは、代数多様体の間の固有写像による定数層の順像が交叉複体の直和に分解するという主張である(Beilinson-Bernstein-Deligneによる)。この類似定理を混合モティーフ層について定式化し、それをいくつかの特別な場合に証明し、その応用を見つけることが興味深いことである。この研究はその原理的解決がA.Cortiとなされている。さらに実際にモデユラー多様体へ応用ができる形で米国のB.Gordon,オランダのJ.Murre両氏と共同研究が進行中である。B.Gordon氏を九州大に招き、研究をすすめた。 (4)積代数多様体のコホモロジーをもちいて、homology correspodenceの概念が考えられ、correspondenceの合成をコホモロジーのレベルで考えることは、よく知られている。これを、chain levelでおこなうことを考えた。つまり、あるcochain complexで、積代数多様体のコホモロジーをを与え、しかも 合成写像がcochain complexの写像として定義できるものを与えた。 B.Gordon氏を九州大に招き、代表者との研究をすすめた。また、代表者はフランスにおけるK理論の研究集会に招かれ、上記の(3)の研究について発表を行った。
|