研究分担者 |
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
大槻 知忠 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (50223871)
吉田 朋好 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60055324)
相馬 輝彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50154688)
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
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研究概要 |
本研究は,3次元多様体が許容する各種構造の相互の結びつきに注目し,背景にあるはずの物理法則のような指導原理を見出し,幾何とトポロジーが交錯する研究を総合的に推進することを目的としている.そのため今年度は,研究分担者を中心に多くの研究協力者を仰ぎ,組合せ構造およびグラフ理論(10月),4次元多様体論との接点(1月),2次特性類と体積予想(2月),葉層構造および力学系(3月)をテーマとした6件の関連研究集会を開催あるいは後援した.さらに一部の集会については報告集を作成し,関連研究者の便宜を図った.また9月冒頭にHarvard大学のCalegari教授を招へいし,層状構造と葉層構造を土台においた3次元多様体の弱双曲化の現状を振り返る1週間にわたる研究会を開いた.これらの集会・研究会は公開で行い,参加者の多角的な視点からの討論や助言がえられ,次年度研究を進める上でたいへん有益であった. 一方,研究代表者はこの期間曲面上の射影構造のサークルパッキングを用いた変形を大域的に記述する成果をえ,外国(ドイツとシンガポール)2件を含めた幾つかの研究集会等で発表した.この研究は,3次元錐多様体の変形空間を径数付けすると考えられ,集会の参加者からのいろいろな方向への拡張に対するコメントは,次年度の目標をより具体的にするものが多く,発表によりむしろ自己啓発された面がきわめて大きかった. これらの初年度の研究活動は当初の目標を上回る充実したものであり,各種構造の関係がますます複雑に絡む将来に向け,その背景にある数理的原理を幾何的手法で探るための課題をある程度明確にできたと考えている.
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