研究分担者 |
相馬 輝彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50154688)
吉田 朋好 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60055324)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
大槻 知忠 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (50223871)
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
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研究概要 |
本研究は,3次元多様体が許容する各種構造の相互の結びつきに注目し,背景にあるはずの物理法則のような指導原理を見出し,幾何とトポロジーが交錯する研究を総合的に推進することを目的としたもので,今年が中間の2年目である.今年度は京都大学数理解析研究所において本課題と極めて関連の深いプロジェクト研究「21世紀の低次元トポロジー」が企画され,研究分担者の大槻知忠が運営メンバーの一人であったため,互いに連携支援しあう体制で研究を進めた.とくに,結び目と3次元多様体の不変量の研究月間であった9月に焦点をあて,海外若手研究者2名招へいを中心に多くの研究協力者を仰ぎ,量子不変量的側面の理解を深めるため研究交流の充実を計った.また年間を通しプロジェクト研究の参加者等を東工大へ招き,3次元多様体の幾何とトポロジーの研究の様々な側面について討論・実験を行なった.これらの集まり・講演会は公開で行い,参加者の多角的な視点からの討論や助言がえられ,来年最終年度に研究を進める上でたいへん有益であった. 一方,研究代表者は今年度,水嶋滋とSer Peow Tanと共同で,昨年度の曲面上の射影構造のサークルパッキングを用いた変形を大域的に記述する成果をトポロジーを確定するところまで進展させることができた.その成果は外国(スイス)を含めた幾つかの研究集会で発表した.研究は期待どおり3次元錐多様体の変形論と結びつき,種数が1の場合が正にプロットタイプとなっていることを示唆するもので,来年度の目標が明確になった. この2年間の研究活動は当初の目標を上回る充実したものであり,各種構造の関係がますます複雑に絡む将来に向け,その背景にある数理的原理を幾何的手法で探るための課題をある程度明確にできたと考えている.
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