研究分担者 |
小林 毅 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00186751)
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80192821)
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10186869)
小森 洋平 大阪市立大学, 理学部, 助手 (70264794)
森元 勘治 拓殖大学, 工学部, 助教授 (90200443)
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研究概要 |
(1)Epstein-Penner構成の一般化. Epstein-Pennerは有限体積のカスプ付き双曲多様体Mに対してミンコフスキー空間内における凸包構成を通してMの理想多面体分解を構成した.この構成を無限体積のカスプ付き双曲多様体に対するもにへ一般化し,様々な基本的性質を調べた. (2)カスプ付き双曲多様体に対する二つ凸包構成の比較. カスプ付き双曲多様体Mに対しては上述のミンコフスキー空間における凸包構成に加えて,極限集合の双曲空間の閉包における凸包構成が考えられる.3次元双曲多様体に対してはこの構成はMの凸核の境界の折り曲げ線層を定める.この二つの凸包構成を比較することにより,カスプ付き3次元双曲多様体のEpatein-Penner分解(の一般化)と折り曲げ線層の間には密接な関係があることを証明した.特に,穴あきトーラス群に関しては折り曲げ線層がEpatein-Penner分解を決定するであろうという予想を立て,いくつかの部分的解答とコンピュータ実験を行った. (3)(2)のアイデアを元にして,穴あきトーラス群に関するMcShaneの等式を精密化し,趣限集合の「幅」を穴あきトーラス上の単純閉曲線の複素線長を用いて表示する式を得た. (4)和田昌昭はコンピュータソフト「OPTi」を改良し,群のパラメータ空間の複素1次元切片,及びその擬フックス部分空間を画面に表示し,その中でパラメータを指定すれば対応する群のフォード領域,極限集合を描くことができるようにした. このソフトはクライン群の空間の性質を調べるための強力な道具となるだろうと期待されている.
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