研究分担者 |
森吉 仁志 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00239708)
石井 一平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90051929)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
楯 辰也 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00317299)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00154328)
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研究概要 |
今年度の研究の重点目標は,ポアソン幾何学の数理物理への応用を具体的な問題で行なうことにあった.特に, (1)非可換微分幾何学の研究 (2)ポアソン構造の一般化とポアソン多様体の位相的研究 (3)無限次元シンプレクティック多様体の幾何学 (4)巾零リー環の上の微分方程式の研究 (5)4次元ゲージ理論と幾何学的不変量の研究 (6)弦理論と非可換幾何学との関連 を重点に行なった.主な主題は,変形量子化の収束性とそれにともなった非可換幾何学の展開,弦理論への応用,非可換ゲージ理論への応用等を研究分担者とともに討論を行ない成果をあげることができた.この成果は前田他による非可換フレッシェ代数の新しい構成とその詳細な性質を調べることにより行なわれた.また,森吉等による非可換幾何学の応用としての指数定理の証明が得られている.無限次元の幾何学として,ループ空間の幾何学の基本的な設定やその基礎理論が前田とRosenbergによって始められた.これらは,来年度成果としてまとめられる見通しである.低次元トポロジーの不変量(Seiberg-Witten)の研究について,亀谷は古田(東京大)と共同の研究に着手し,ある種の代数多様体での計算が成功した. また,年間を通して数理科学セミナーや素粒子物理学の研究者とも共同研究,およびワークショップを行なうことで,研究情報の交流と新しい問題への取り組みが明確になった.今年度の成果を次年度に引続き,新しい研究成果を得る見通しができた.
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