研究分担者 |
小原 敦美 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90221168)
江口 真透 , 文部省・統計数理研究所, 教授 (10168776)
広田 良吾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00066599)
辻本 諭 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60287977)
太田 泰広 広島大学, 工学部, 助手 (10213745)
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研究概要 |
平成12年度は本科研費の援助のもとで,2件のパソコン購入,32件の研究発表と研究打ち合わせ国内出張,2件の研究発表外国出張,1件の外国人研究者のレビューのための国内滞在を行った.また,「関西可積分系セミナー」を平成12年度は16回開催した.また,平成12年8月2日〜4日京都大学数理解析研究所で「離散可積分系の研究の進展」研究集会を,平成13年2月3日〜4日京大会館で「可積分系研究の現状と展望2001」研究会を開催した.以上の研究活動へのサポートを感謝する.この研究課題に関連して平成12年度には次の進展があった. 中村は正定値行列の空間上の算術平均演算と調和平均演算の繰り返しによって,与えられた正定値行列の平方根行列に2次収束する算術調和平均のアルゴリズムを定式化したが,このアルゴリズムは情報幾何学的には空間の2点間の互いに双対な測地線上の中点をたどる算法という意味をもつ.正定値が成り立たない場合アルゴリズムは一般に収束しない.近藤と中村はスカラーの場合に漸化式がニュートン法と等価となることに基づいて,算術調和平均のアルゴリズムの漸化式の一般項が行列式表示されることを発見した.可解なロジスティックマップについても同様な表示が見つかった.この表示式を用いて,不変測度と積分計算によらずに,系のLyapunov指数が正となることを示した. また,太田はAblowitz等とともにいくつかのタイプの離散可積分系に対して,解のソリトン的,カオス的挙動を理論的,数値的に研究した.太田は,また,任意の結合定数をもつ離散結合型変形KdV方程式に対して,Wronski型とGram型の二種類のPfaffian解を構成した.
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