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2000 年度 実績報告書

統計力学の数理モデルにおけるランダムな形の形成と揺らぎの研究

研究課題

研究課題/領域番号 12440027
研究機関神戸大学

研究代表者

樋口 保成  神戸大学, 理学部, 教授 (60112075)

研究分担者 中西 康剛  神戸大学, 理学部, 教授 (70183514)
宮川 鉄朗  神戸大学, 理学部, 教授 (10033929)
福山 克司  神戸大学, 理学部, 助教授 (60218956)
香取 真理  中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)
山崎 正  神戸大学, 理学部, 教授 (30011696)
キーワード2次元Ising model / Gibbs分布 / 臨界温度 / percolation / first-passage percolation / fluctuation / spectral gap
研究概要

本年度の研究に於ける成果は、2次元Ising modelのパーコレーション的研究が中心となった。主な成果は以下の通りである。a)2次元Ising modelの端点Gibbs分布は、μ_+,μ_-と記述される特別なGibbs分布に限ることを、Percolationと言う立場からまとめた証明をあたえた。これにより、議論の適用範囲が広がった。これまでに知られていた証明が、解析的トリックを使っていたのに対して、新しく得られた証明は、確率論的であり、次元依存性がよりはっきりと理解できる形になったのが特徴である。
b)2次元Ising modelで、臨界温度より高い場合には、外部磁場を調節すると、+スピンも-スピンもpercolateしないパラメータ領域があり、このときにfirst passage percolationの問題を考えることができる。原点と(n,0)とを結ぶpathは最低でどのくらい多くの+スピンのかたまりを通る必要があるかを考える。評価は確率収束の意味で、cn±√<n>log^2nのオーダーまで求めることができた。ただし、cはtime constantと呼ばれる定数で、subadditive ergodic theoremから導かれる。実際のfluctuationはcn±n^<1/3>が期待されているので、まだsharpeな結果とはいえない。
c)2次元stochastic Ising modelをn×nの正方形上で考える。境界条件として、上半分で+,下半分で-の境界条件を考えたとき、臨界温度より下では、spectral gapの減少のオーダーがexp{-M√<nlogn>}の形で下から押えられることを示した。
上記a),b)の結果は論文として学術雑誌に発表したものである。c)の結果は残念ながら、既に発表されていた結果と重なる部分が多いことが分かり、発表は見合わせ、さらに詳しい研究を続けることとした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.-O.Georgii: "Percolation and number of phases in the two-dimensional Ising model"J.Mathematical Physics. 41. 1153-1169 (2000)

  • [文献書誌] Y.Higuchi: "On the speed of convergence for two-dimensionsl first passage Ising percolation"The Annals of Probability. 28. 353-378 (2000)

  • [文献書誌] K.Fukuyama: "Almost sure invariance principles for lacunary trigonometric series"Comptes Rendus de 1'Academie des Sciences, Serie I, Mathematique. 332(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] K.Fukuyama : "The central limit theorem for non-conventional average"Bolyai Society mathematical Studies. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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