研究課題/領域番号 |
12440031
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
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研究分担者 |
林 晋 神戸大学, 工学部, 教授 (40156443)
鷲原 雅子 京都産業大学, 理学部, 教授 (40065800)
辻井 芳樹 京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
吉川 敦 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (80001866)
立木 秀樹 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10211377)
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キーワード | 計算可能性構造 / 不連続関数 / 関数空間 / 一様位相空間 / グレーコード / Σ^0_1-排中律 / 極限計算可能性 |
研究概要 |
本年度の主な研究目的は、1.実数上の不連続関数の計算可能性についての多角的考察、2.その論理的基礎付け、3.実数表現、4.計算可能性と諸数理科学的現象の関係、であり、それらはほぼ計画どおりに達成された。 1.Gauss関数、Rademacher関数のような関数(列)の関数空間(Banach空間、Frechet空間等)における点(列)としての計算可能性、Σ^0_1-排中律の中での計算可能性、極限計算可能性、位相の変換によって連続化した関数の計算可能性、を示した。位相の変換は、不連続な点を分離して離散位相を導入し、その点での計算は開区間における計算とは独立して行う、この方法は人間や計算機による計算および描画の自然な数学的表現になっている、また、極限計算可能性は広い範囲の関数に適用できる。 2.極限計算可能性を構成的算術にΣ^0_1-排中律を加えた体系の関数解釈で基礎付けることができた。これにより準構成的原理と数学の定理との相互関係の解明という新しい分野にもつながってくる。 3.Grayコードによる実数の表現の研究を深めて、実数の位相的な次元の概念を定義することができた。 4.計算可能性構造をもつ一様位相空間とその距離化における実効的収束の同値性、実効的補間空間上のファンクターの計算可能性、距離空間の計算可能性問題等、計算と数理的現象との関連が深まった。 研究組織の構成員はセミナーおよびe-mail連絡によってたえず研究連絡を行った。 とくに2001年9月21日-23日には、海外研究協力者および関連分野の研究者を招いて第3回CC-セミナーを開催し、具体的なテーマについて討議を行った。また、研究代表者と研究協力者がDagstuhlセミナーで一様位相空間とその距離化における実効的収束の同値性等に関する結果を報告した。
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