研究分担者 |
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 講師 (90251610)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
池田 栄雄 富山大学, 理学部, 助教授 (60115128)
長山 雅晴 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20314289)
阪井 一繁 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00288664)
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研究概要 |
領域内部におけるヘリカル波の伝播形態,みかけの活性化エネルギーの伝播形態への影響,空間次元によるヘリカル波の相違点に関して以下のような知見を得た. (1)領域内部におけるへリカル波の伝播形態 反応点の一つ一つが独立に運動する不規則ヘリカル波の等温度面では,陥没や隆起が時間発展につれてランダムに起こる.一方,いくつかの反応点が円柱側面を同じ方向にほぼ同じ速さで動く規則的ヘリカル波の等温度面は反応点と同じ個数の翼を持ち,それが時間経過とともに回転しながら円柱下方に動いて行く.燃焼波とともに進む水平断面上での温度分布によっても,内部における伝播形態を知ることができる.円柱の中心付近での温度分布は振動するだけであり,円柱側面の近くだけでらせん状に運動することがわかった. (2)みかけの活性化エネルギーの伝播形態への影響 燃焼合成反応における重要なパラメータであるみかけの活性化エネルギーEの燃焼波伝播形態への影響を調べた.その結果,空間1次元問題で振動波の最初の周期倍分岐が起きるようなEの値をはるかに越えてヘリカル波は安定であることがわかった.さらにEを大きくすれば,ヘリカル波は崩壊し,代わりに,平面的な振動進行波が現れることが判明し,これを理論的に説明する無次元化方程式系を発見した. (3)空間次元によるヘリカル波の相違点 空間3次元では,規則的ヘリカル波を発生させるためには初期分布の設定に特別な注意が必要であるが,不規則ヘリカル波には必要ないという意味において,多数のヘリカル波の中で最も出現し易いのは不規則ヘリカル波であると判断する.一方,空間2次元では,逆に,不規則ヘリカル波よりも規則的ヘリカル波の方が出現し易い.
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