研究分担者 |
寺田 至 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70180081)
松本 久義 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50272597)
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20157283)
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80201490)
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研究概要 |
完約リー群の最も大きな表現では,その無限小指標に対応して普遍包絡環の中心から生成されるイデアルが,表現を規定する微分方程式系となる.より小さな表現を規定する方程式系の具体的構成の研究を行い,以下のような結果を得た. 普遍包絡環と座標環とを同時に扱う同次化包絡環を定義し,一般線型群の場合に小行列を量子化したCapelli作用素をもとに行列の単因子の概念を量子化することによって,スカラー型一般Verma加群の零化イデアルの生成元を具体的に構成した. 古典極限の座標環の場合は,行列の共役類の閉包の定義イデアルの生成元の構成となっている.さらにVerma加群との間ギャップをこの零化イデアルが与えるための必要十分条件を得た. ある多項式に対し,代入すると0になる行列は,その最小多項式が元の多項式を割り切る行列である.これを同次化包絡環の中で考察することにより,行列の多項式で生成される両側イデアルのHarish-Chandra同型の像を具体的に決定した.これにより,一般線型群のスカラー型一般Verma加群の零化イデアルの生成元を構成し,小行列式の量子化からの構成との関連を明らかにした. 完約リー環の有限次元忠実表現に対し,その双対写像を考察することにより固有多項式を定義し,さらに無限次元表現への作用を考察することにより最小多項式を定義した.スカラー型の一般Verma加群に対する最小多項式を一般に決定し,それを用いて完約リー環のスカラー型一般Verma加群の零化イデアルを具体的に構成した.
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