研究課題/領域番号 |
12440035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大沢 健夫 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30115802)
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研究分担者 |
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00172354)
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10037252)
山口 博史 奈良女子大学, 理学部, 教授 (20025406)
野口 潤次郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (20033920)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 擬凸領域 / δ^-方程式 / L^2正則関数 / Levi平坦性 / L^2割算定理 / 付着複素曲線 / Bergman核関数 / Hefer分解 |
研究概要 |
幾何学的複素解析において、とくに多変数の正則関数の境界挙動に関わる部分の進展について報告したい。C^nの擬凸領域上のL^2正則関数の空間は、S.Bergmanによってはじめて系統的な研究が緒についた。その解析は様々な立場から行なわれているが、1987年に発表された大沢・竹腰のL^2拡張定理は現在一つの基本的結果とされている。以後大沢はこの定理の内実を掘り下げ続け、その応用面をも考慮しながら改良を繰り返してきた。2001年に発表された論文(Nagoya Math. J.)では、L^2拡張定理を複素多様体上の一般的理論としてまとめ上げ、その割算定理への応用、およびBeurling-Malliarin-Seip型の補間理論への応用を得ている。その続篇においては、まずC^nの有界擬凸領域におけるL^2正則関数のHefer分解の係数の最適評価を導き(発表予定)、さらに無限級数展開をも許すより一般の分解について係数の最適L^2評価を示した(投稿準備中)。この新理論において特徴的なことは、一つの固定された座標系における相異なる現象が、座標に変数を付加してできる高次元の空間の適当な座標に関しては同一の構造をもつことである。一方、複素多様体上の力学系や葉層構造などとの関連で、Levi平坦な境界をもつ領域に関心が持たれてきたが、大沢は松本和子と共同で、複素2次元トーラス内のLevi平坦かつ実解析的な境界をもつ領域をすべて決定した。これはさらに次元の高い場合にどうなるか、継続されるべき研究課題である。トーラスに限らず、一般の複素多様体内の擬凸領域に関しては、δ^-Neumann作用素の滑らかさやコンパクト性の障害としてあらわれる、境界に付着する複素曲線について研究が進展し、大沢はDiederichと共同で、この種の付着曲線をもつ正則凸領域が勝手な複素曲線のまわりに多数存在することを初めて明確にした。分担者たちの活動の説明は成果報告書にゆずる。
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