研究分担者 |
齊藤 公明 名城大学, 理工学部, 教授 (90195983)
浦川 肇 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022679)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
田崎 秀一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10260150)
有光 敏彦 筑波大学, 物理学系, 教授 (50134200)
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研究概要 |
本研究では,古典確率解析において'素'過程の役割を担っているブラウン運動とポワソン過程を量子ホワイトノイズ解析の枠組みにおいて統一し,従来の伊藤解析を拡張した。具体的な項目は以下のとおりである。 (1)正規積ホワイトノイズ方程式。ホワイトノイズ作用素論の根幹にあるシンボルの理論を深化させた。それによって,拡張された確率微分方程式のの解の存在・一意性・滑らかさを詳細に調べた。 (2)ホワイトノイズの高次冪とレヴィラプラシアン。ホワイトノイズの2乗とレヴィラプラシアンの関連を明らかにし,レヴィラプラシアンに付随する確率過程を直積分によって構成した。 (3)複素ホワイトノイズ。シーガル・バーグマン同型をホワイトノイズ作用素に対して通用する形に拡張し,核型性に依存しない作用素シンボルの特徴づけ定理を証明した。作用素のユニタリ性の判定条件を証明し,正規積ホワイトノイズ方程式の解がユニタリになるための必要十分条件を導いた。 (4)物理への応用。散逸過程を記述する種々の方程式の相互関係を組織的に研究し,数理的諸問題を明らかにした。フォック空間系列に関連して,特異なボゴリューボフ変換が現れるのを確認した。 (5)代数的確率論からの視点。「量子分解」によるグラフの隣接作用素の漸近的スペクトル解析を確立させた。新しい例を構成し,極限分布のみたす必要条件を導いた。この制限を乗り越えて,q-変形ガウス分布を議論するための予備的考察を行うとともに,別のタイプの極限定理も証明した。
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