研究分担者 |
多羅間 茂雄 大阪市立大学, 工学部, 教授 (90115882)
畑 政義 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40156336)
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
森岡 達史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80239631)
|
研究概要 |
無限回微分可能な関数を係数とする偏微分方程式において特徴的にあらわれる無限次退化の場合を考慮し、退化楕円型作用素の"弱い"超局所的正値性が、解の構造へ、どのように反映するかを擬微分作用素論、フーリエ積分作用素論、調和解析、確率解析を用いて研究した。代表者は、外国人共同研究者であるXu教授と、無限次退化2階楕円型作用素に対して、対数型Sobolev不等式を導き、これを用いてある種の変分問題とそれと同値な無限次で退化する半線型2階楕円型方程式を考察した。さらに、方程式の弱解が、有界関数に属することを、対数型Sobolev不等式を繰り返し使うことにより証明した。この結果は弱解の連続性、微分可能性の研究への第一歩となるものである。分担者、上木は、Schrodinger方程式の解をWiener積分表示などの確率解析の手法と関数解析的方法により研究し、特に、random磁場をもつ場合について解の漸近挙動の主要項を決定した。分担者、多羅間は、分散型方程式に対する解の一意接続性問題を考察し、Lebeauの波動方程式に対する解の強一意性定理に対応する結果を、有限伝播性が成立しないSchrodinger方程式の場合に拡張した。分担者、森岡は、凸な障害物により周波数の高い波が回折する現象を、双曲型方程式の解のGlancing領域における特異性伝播として定式化し、超局所解析を適用することによりこれを調べた。分担者、浅倉は、非線型方程式への応用として多向性弾性体モデル(空間1次元)を考察し,Riemann問題の相境界を含む解は一意的に定まらないことを示し、さらに,相転移後の弾性体の温度変化に条件を付ければ,一意性が成立することを証明した。また,2x2-双曲型保存則系で,境界(相空間の)に臍点がある場合のRiemann問題について,解の一意性が成立するための幾何学的な(座標枠によらない)十分条件を得た.
|