研究分担者 |
加藤 崇雄 山口大学, 理学部, 教授 (10016157)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
柴 雅和 広島大学, 工学部, 教授 (70025469)
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
木内 功 山口大学, 理学部, 助教授 (30271076)
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研究概要 |
ひとつのリーマン面から他のリーマン面の中への等角的埋め込みが存在することと,これらのリーマン面の極値的長さ・双曲的長さの関係について考察し,これら2種類の長さの際だった違いを指摘した。また,コンパクトなリーマン面において,ホモロジー類の極値的長さの間にはある非自明な代数的関係式が成立することを既に証明していたが,調和微分の空間における*作用素を用いて,その関係式のより見通しの良い証明を与えた。さらに,種数が1の場合に,この関係式のある解釈を示し,トレリの定理との関係を述べた。 この他に,柴は,「理想境界を越える解析接続」という概念を導入し,その初等的性質を調べた。そして,リーマン面の等角的埋め込みの理論を応用して,種数1のコンパクトでないリーマン面上の有理型関数が理想境界を越えて解析接続されるための必要条件を与えた。また,種数1のコンパクトなリーマン面上のランキン流れとそのエネルギーについて考察した。柳原は,単位円板上の正則関数で,原点を固定し,ブロックのセミノルムが1以下であるもの全体のなす族について,各固定された点において取り得る値の範囲を調べた。加藤は,フェルマー曲線によって定義されたコンパクトなリーマン面の位数2の自己等角写像の不動点になっているワイエルシュトラス点の重さについて調べた。 また,木内は,リーマンのゼータ関数の平方について調べ,その近似関数等式の残余項に関する平均値公式を求めた。鈴木は,放物型偏微分作用素の解に対する平均値公式と帯状領域の関係について調べた。三好は,弾性体内の亀裂の伸展方向と曲率を定める式を提案し,その式の性質について議論した。
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