研究分担者 |
稲場 道明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (80359934)
梶原 健司 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (40268115)
吉田 正章 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30030787)
上村 豊 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50134854)
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
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研究概要 |
1.多面体調和関数論:多面体調和関数全体のなす線形空間の有限次元性や多面体調和関数を特徴付けるホロノミックな編微分方程式系を中心とする多面体調和関数論の一般的理論について研究を進めた。有限鏡映群に対する標準不変式系を導入し,例外型正多面体に対する多面体調和関数を決定した。総合報告を執筆するとともに,日本数学会の企画特別講演において理論の概要を発表した。 2.超幾何関数論:孤立特異点に付随する捩れド・ラム・コホモロジー群に対する交点理論を確立した。ウィッテンの捩れラプラシアンに対する熊ノ郷・谷口流の擬微分作用素解析を実行することにより,捩れホッジ・小平分解を構成し,ポアンカレ・セール型の双対性定理を証明した。応用として,一般エアリ関数に付随する捩れ交点行列を歪シューア多項式を用いて具体的に書き下した。また,非同次線形差分作用素に対するある種のコホモロジー理論を展開した。これを合流型超幾何方程式系の隣接関係式に応用しジェブレイ・コホモロジー群を計算した。 3.パンルヴェ方程式:パンルヴェ第II方程式の有理解の母関数をエアリ関数の漸近展開係数を用いて書き下した。パンルヴェ第VI方程式の非線形モノドロミーを複素3次曲面へのモジュラー群の作用として具体的に実現した。パンルヴェ第VI方程式とその多変数化であるガルニエ系の相空間を安定放物型接続のモジュライ空間として代数幾何学的に構成した。力学系のアフィン・ワイル群対称性,即ちベックルント変換群をリーマン・ヒルベルト対応の見地から自然に構成した。 4.分岐理論の逆問題:特異ウィナー・ホップ型積分方程式の可解性を研究した。この成果を分岐理論における逆問題,更には数理生物学における反応拡散動態モデルに応用した。
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