研究分担者 |
酒井 良 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70016129)
望月 清 中央大学, 理工学部, 教授 (80026773)
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
石井 克幸 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (40232227)
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 教授 (90205295)
|
研究概要 |
次のような研究成果を得た.(1)海岸で波に洗われる石の磨耗の数学的モデルとして,1974年にW.Fireyはガウス曲率流を提唱した.これを一般化して,石が凸でない場合を考え,その磨耗の数学的モデルとして非局所的なガウス曲率流(凸化ガウス曲率流)を導入し,この凸化ガウス曲率流に対する等高面法を確立した.(2)この凸化ガウス曲率流に対する弱解を定義し,その一意性を証明し,さらにその存在を離散確率近似により証明した.(3)アイコナール方程式に対する緩和(relaxation)の発現を証明した.これは,Hを1次の正斉次関数でH(p)>0(p≠0)を満すものとし,H^^^によりHの凸包を表し,Ωを有界領域とするとき,u(x)=0(p∈∂Ω)を満すH^^^(Du(x))=1(x∈Ω)の粘性解uは,v(x)=0(x∈∂Ω)を満すリプシッツ関数vで,Ω上の殆んど至る所でH(Dv(x))【less than or equal】1を満すもの全てに対して,v(x)の上限を考えるとき、この上限とu(x)が一致するというものである.(4)積分項を持つハミルトン・ヤコビ方程式に対して,積分論における単調関数族の議論により,方程式がボレル可測関数で与えられる場合に粘性解の存在を示すことができることを示し,一般的な粘性解の存在定理を確立した.(5)積分項をもつハミルトン・ヤコビ方程式の特異摂動問題を考え,この特異摂動極限の極限方程式としての2階退化放物型方程式を同定し,対応する解の収束を証明した.(6)バーガース方程式に代表される解がショック現象を起こす1階の方程式に対して,適正粘性解の概念を導入し,発散型とは限らない1階の方程式の大域的な不連続解の存在を確立した.
|