研究分担者 |
山崎 昌男 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20174659)
楫 元 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70194727)
田中 和永 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20188288)
小林 孝行 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50272133)
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
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研究概要 |
1.n次元外部領域において,無限遠方での流速が一般にゼロではない定数ベクトルの場合の非圧縮性粘性流体の定常解の安定性を示した.この定常解は前年度の研究によりその存在と無限遠方での可積分性は詳しく求まっていた.証明の基盤は線形化作用素であるOseen方程式のL_p-L_q評価である.これを求めるにはまず境界近傍での局所減衰定理を求める.基本解の詳しい解析とcompact perturbation法によりこの局所減衰定理は求まった.つぎに,cut-offテクニックにより全空間での結果と局所減衰定理をむすびつけて,所求のL_p-L_q評価を求めた.そして,この評価と定常解の無限遠方での可積分性とを上手く使い定常解の安定性を示した.さらに,非定常問題の解の定常解への時間無限での収束の度合いについて,最良の結果を得た. 2.圧縮性粘性流体の3次元コーシー問題の定常解の安定性を示した.従来の研究は定数定常解の安定性か,または質量のみが定数ではない場合の研究であった.今年度の研究で質量,流速ともにゼロではない定常解の安定性の証明に成功した.初期値はH^3かつL_<6/5>でそのH^3ノルムが充分小であるものをとった.このとき,非定常問題の解が時間大域的に存在し,定常解への時間無限遠での収束オーダーは1/2-ε(εは充分小さい正数)である. 3.非圧縮性粘性流体同士の自由境界値問題の線形化問題のレゾルベント問題について,L_p空間における最良な評価を導出した.これは,次年度へのステップである. 4.Ginzuburg-Landau-Maxwell方程式や磁気流体方程式の線形化問題として現れる,ラプラス作用素に対する完全導体壁境界値問題のレゾルベント評価を内部領域,外部領域,半空間からの摂動領域に対して求めた.さらに,外部問題での局所減衰定理を示した.これは次年度の定常解の存在とその安定性を示す為の重要なステップである. 5.半空間でのStokes作用素の基本解のレゾルベントパラメーターゼロ近傍での漸近展開を行った.これは,半空間でのNavier-Stokes方程式を扱う為の準備である.
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