研究分担者 |
國場 敦夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70211886)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
樋上 和弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262151)
武部 尚志 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (60240727)
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研究概要 |
本年度の研究実績は,以下のとおりである. (1)周期箱玉系と呼ばれる可積分セルオートマトンの基本周期の考察を行った. 最も簡単なA_1^<(1)>型の周期箱玉系において,準三角的な保存量を持つ初期状態に対する基本周期の,玉の密度一定のもとで系の長さを無限大とする漸近形を定める問題と,Riemann予想とが等価であることを示した.準三角的な保存量を持つ初期状態は,最大の基本周期を持つと考えられるので,系として箱数Nの基本周期の上限が、exp[2√<N>+O(N^<1/4>log^2N)]で抑えられればリーマン予想が成幸することも示された. (2)玉の種類を増やし箱の容量を場所ごとに変えた拡張された周期的箱玉系(A_M^<(1)>型)の保存量を求めるアルゴリズムを非自律離散KP方程式のLax行列を利用して構成した.また,M=1で箱の容量が1の場合にこれまで知ちれていたヤング図形で記述される保存量に一致することを証明した. (3)結合型KP方程式系に対する特殊解として,spider-web solutionを求め,それらが,ソリトン解を特化したものであることを示した. (4)D_n^<(1)>型の幾何クリスタルを構成し,幾何クリスタルに作用するトロピカルR行列を求めた. (5)Baxter-Belavinの楕円r行列のtrigonometric degenerationを楕円曲線上のtwisted Wess-Zumino-Witten模型の縮退として表現した. (6)離散ソリトン方程式,特にアファインsl_N戸田場とN-reduced KP方程式の可積分構造を,保存量を陽に構成することによって示し,これらの系とBogoyavlensky格子との関係を明らかにした.
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