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2001 年度 実績報告書

波動のカオス現象と古典力学との関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12440047
研究機関京都大学

研究代表者

井川 満  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028191)

研究分担者 國府 寛司  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
重川 一郎  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
大鍛治 隆司  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20160426)
森岡 達史  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80239631)
西谷 達雄  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
キーワード古典力学 / Ruelle作用素 / ゼータ関数 / 有理型 / 極
研究概要

いくつかの凸な物体の外部における古典力学系のゼータ関数の表示を中心に研究した.
なかでも現在の一番基本的な問題である3個の凸な物体の場合の,ゼータ関数の表示の新しい方法を求めた.
これまでは,ゼータ関数の解析接続の可能性や,特異点を求めるためには,Ruelle作用素のスペクトルをペロンフロベニュースの定理に依って解析することを通じて行うことがほとんど唯1つの方法であった.これでは反射によって符号を変えるような力学系ではほとんど無力であり,このことが一般的にはゼータ関数の特異点を1つすら取り出すことが出来なかった.
我々が研究した新しい方法は,2つの物体の場合の軌道の挙動を正確に表示し,それを用いて3個の場合のゼータ関数の表現を直接的に得るものである.そのため前年度は,2つの物体の場合の軌道の挙動を反射の回数の正則関数として表現する手法を確立した.今年度はそれをふまえて,3個の物体の場合の表現方法を開発した.
それは,1つの物体を特別視し,その物体上で反射する回数を固定した場合に可能な全ての起動に関する和の表現を具体的に得ることが中心的着想である.それを実行するには,前年度の結果を注意深く用いると共に,物体が2つの場合の可能な軌道の総和より生まれる有理型関数の多項式として表現できるように和を整理することが不可欠の手順である.これは極めて複雑で丹念な解析が必要となる.
今年度はこの解析を行い,多項式としての表現に成功した.また,特別視した物体上の反射点の数を順次増やしていった場合の漸近的表現式を得ることにも成功した.これによって得られるゼータ関数の直接的表現式は,特異性を求めることの可能性を示すものである.
よって次年度はこの解析を実行することが中心的課題となるであろう.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Ikawa: "Asymptotic of scattering poles for two strictly convex obstacles"Proceedings of the Bologna APTEX International Conference. 171-187 (2001)

  • [文献書誌] T.Okaji: "Strong unique continuation property for time harmonic Maxwell equations"J.Math.Soc.Japan. 54・1. 87-120 (2002)

  • [文献書誌] T.Okaji: "A note on the wave packets transforms"Tsukuba J.Math.. 25・2. 383-397 (2001)

  • [文献書誌] H.Kokubu: "New aspects of the unfolding of the nilpotent singularity of codimension three"Dynamical Systems : an International Journal. 16. 63-95 (2001)

  • [文献書誌] T.Nishitani: "Smoothly symmetrizable systems and the reduced dimensions"Tsukuba J.Math.. 25. 165-177 (2001)

  • [文献書誌] T.Nishitani: "Some necessary conditions for hyperbolic systems"Carleman Estimates and Applications to Uniqueness and Control Theory. 139-147 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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