研究課題/領域番号 |
12440051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30119656)
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研究分担者 |
石井 仁司 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70102887)
田中 和永 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20188288)
山田 義雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20111825)
坂口 茂 愛媛大学, 理学部, 教授 (50215620)
鈴木 貴 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40114516)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 非線形発展方程式 / 非線形楕円型方程式 / 非線形偏微分方程式 / 変分法 / 劣微分作用素 |
研究概要 |
1)従来の方法では得られなかった、準線形放物型方程式の解の高い微分可能性を保証する「L^∞-エネルギー法」を開発した。この方法により、まず、充分一般的な二重非線形放物型方程式のリプシッツ連続な時間局所解の存在が示され(1996,2002)、さらには、1950年代以来、未解決であった「Porous Medium方程式はC^∞-級の時間局所解を許すか?」という問題が肯定的に解決されるという重要な知見が得られた(2001)。「L^∞-エネルギー法」は、これらの成果のみならず、いろいろな局面で応用可能な極めて有用な解析手段を与えていることを、現在進行中の研究が示唆している。 2)「劣微分作用素の非単調摂動理論」が、バナッハ空間上の枠組みへ拡大された。これにより、従来ガレルキン法で構成されていた退化放物型方程式の解の存在と正則性がより自然な枠組みで、より一般的な条件のもとで、議論できるようになり、いくつかの具体的な方程式に対して、従来の方法では解決できなかった未解決問題が解決された。 3)部分対称性を有するConcentration Compactness理論を構築した。コンパクト性の欠如した問題を解析する有力な方法として、Concentration Compactness理論が知られているが、一方で球対称性などの高い対称性がある場合には、コンパクト性が回復することが知られている。コンパクト性が回復しない程度の部分的対称性が存在する場合に、Concentration Compactness理論がどのように、その部分対称性を反映するかを解明した。この応用として、無限柱状領域において、臨界指数を越える非線形性をもつ楕円型方程式の非自明解の存在が示された。 4)「ある条件のもとでは、対称性をもつ部分空間での臨界点が、全体での臨界点を与える」というR.Palaisによる対称臨界性原理は、本来変分構造をもつ楕円型方程式に限られた理論であった。 この理論が、必ずしも変分構造をもたない楕円型方程式や時間発展を含むの発展方程式へ適用可能な一般的な理論に拡張された。これにより、従来の理論では不可能であった、放物型方程式や波動方程式への応用の道が開かれた。 5)劣微分作用素を含む多価写像に対する写像度の理論が構築された。これにより、従来ではカバーできなかった、種々の多価性をもつ非線形偏微分方程式への写像度の理論が適用可能になった。 6)劣微分作用素に対する非単調摂動理論を,マイクロポーラ電磁流体の初期値境界値問題及び時間周期問題などに適用できるように改良した。
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