研究課題/領域番号 |
12440052
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川良 公明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50292834)
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研究分担者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70154234)
田中 培夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70188340)
吉井 譲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00158388)
辻本 拓司 国立天文台, 位置天文学研究系, 助手 (10270456)
中島 紀 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (20300709)
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キーワード | クェーサー / 銀河 / 赤外線 / 星形成 / 銀河進化 / 宇宙論 |
研究概要 |
本研究の最終的な目的は、(1)高赤方偏移クェーサーのFe II/Mg II輝線比を測定することにより、宇宙の幾何パラメータを決定すること、および(2)遠赤外線源の同定作業を通して銀河の進化を研究することであった。その手段として、高赤方偏移クェーサーの探索(Fe II/Mg II輝線比を測定するため)およびCCD撮像データの集積(遠赤外線源を同定するため)を行う南天CCDサーベイのための観測環境を整備することを本年度の最重要課題とした。 本研究の成果は次の通りである。 1.南天CCDカメラの制御回路を改良し、ファーストエンジニアリングライトを入れることに成功した。2月にテスト観測を行い、3月から科学データの取得を開始する予定である。 2.上記カメラの立ち上がりの遅れを補うために、すばる望遠鏡や米国の望遠鏡を用いて、遠赤外線源のCCD撮像および分光観測を実施した。これまでに、30個の遠赤外線源の赤方偏移を測定したが、そのうちの1/3は大光度の赤外線銀河で、ほとんどは相互作用銀河であることが判明した。 3.クェーサーのスペクトルからFe/Mg元素組成比を導くには、広輝線領域における鉄の放射輸送の精密なモデルが必要である。そのために、CUA/NASAのVerner博士を招聘して、上記モデルの精密化を行った。これに必要な低赤方偏移クェーサーの高品質スペクトルは、昨年度米国キットピーク天文台で取得したものを使用した。 4.南天における分光観測の基盤を拡大するために、昨年度作成した天文気象監視装置をチリ北部の5000m級の高地に設置し、天文気象の監視を始めた。
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