研究概要 |
本研究では、紫外から遠赤外領域にかけての良質で均質なシリケイトなどの物質の光学的性質を求めることである。そのために本年度では遠赤外領域での測定システムを購入して測定できるよう整備した。すなわち、遠赤外用のビームスプリッター・検出器をとりつけ、さらに乾燥空気の導入および偏光装置の整備をして安定に透過率・反射率の測定が遂行できるようにした。さらに測定条件をいろいろ変化させ再現性の良いデータが安定に測定できるよう整備した。この装置によりまず、組成比Mg/Feの異なる良質なオリビン(合成、天然各数個)の微粒子をKBr,ポリエチレンに埋め込みその透過率を測定した。これらの透過率から中間赤外から遠赤外における質量吸収係数をデータ整理した。その結果各吸収ピークは、Mg/Fe比が減少するにつれ長波長側に系統的にずれること・組成とピークとのを明らかにした。この関係式よりピークの位置から逆に組成が推定できることも明らかになった。反射率については、ISOなどの観測で検出されている鉱物と高温のガスが凝縮するときに理論的に推定できる鉱物を選出した。良質なバルク結晶すなわちForsterite,Fayalite,Olivine Fo90,Spinel,Rutil,Magnetiteなどについて各軸方向をきちんと表面を出して研磨した。これらの反射率を各軸毎に紫外から遠赤外の広い波長領域にわたり測定できた。これらの反射率は、今までに世界的に報告されているデータよりずっときれいなデータであり、光学定数はこれから導出する予定である。
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